脂肪は量と質を考えて

 脂肪摂取量はかつては低水準にあったが、経済発展に伴い食生活も著しく変化してきたため、着実に増加傾向にある。
 このままいくと、近いうちに欧米諸国のように日本も脂肪の過剰摂取国になってしまう。
 脂肪は、不足状態が続くと、脳卒中・高血圧を起こしやすくなり、反対に過剰摂取が続けば、高脂血症・心臓病・糖尿病等の原因となるので十分注意しなければならない。
 また、脂肪摂取の内訳としては、魚類の脂肪以外の動物性脂肪摂取の増加が目立つ。
 植物性の油・魚類の脂肪は動脈硬化を予防する作用があるが、動物性脂肪は反対に動脈硬化を促進する作用があるので、脂肪は量・質について十分考えてとらなくてはならない。

脂肪はとり過ぎないように

 一日に摂取する脂肪の量として適切なのは、総摂取エネルギーに占める脂肪エネルギーの割合として、一般成人は20〜25%、発育の盛んな青少年や、重い生活活動で多量のエネルギーを必要とする人の場合は25〜30%が適当であると「日本人の栄養所要量」で定められている。この割合は、てんぷら油・バター・油脂だけではなく、肉・魚等の食品中の脂肪も含まれているため、食品の選択にも気をつけ、脂肪をとり過ぎないようにしなければならない。

 動物性脂肪より植物性の油を多めに

 脂肪は種類によって性質と健康に及ぼす影響が異なる。
 魚類の脂肪以外の動物性脂肪は、一般に飽和脂肪酸とコレステロールを多く含んでおり、過剰に摂取すると血清コレステロールを上昇させ、動脈硬化を促す原因に、それに対し、植物性の油・魚類の脂肪は、一般に多価不飽和脂肪酸を多く含んでおり、動脈硬化抑制の作用がある。
 したがって、動物性脂肪より植物性の油・魚類の脂肪を多くとることが大切である。

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