冷や汗をかく

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  解説(意味)
二の舞を踏む 人の真似をすること、とくに他人と同じ失敗をすることを「二の舞を演じる」と表現する。「舞」は演じるとはいっても、踏むとはいわない。
弱冠 中国で二十歳のことを「弱」といい、二十歳になったときに元服の儀式として冠をかぶったことから生まれたもので、二十歳のことを表している。最近は、「若いこと、若くして」という意味で使われ、辞書でも認められている。
寸暇を惜しまず 「わずかな時間も大切にして」と言いたいとき、「寸暇を惜しんで」という言葉を使う。文字通り、「少しの暇も惜しんで」という意味がある。
おざなり 「なおざり」「おざなり」はよく言い間違う。「なおざり」は「真剣でないこと、おろそかにすること、あっさりしていること」で、「おざなり」は「その場逃れにいいかげんなことを言ったり、したりすること」。
パネラー 「パネル」に「陪審員」の意味があり、公開討論を「パネル・ディスカッション」というから「パネラー」と呼んでいる。しかしこれは和製英語であり、正しくは「パネリスト」である。英語では「パネラー」は「羽目板職人」のこと。
コーヒーをたてる 「湯をたてる、風呂をたてる」というように、お湯を沸かすときは「たてる」を使うし、お茶でも、番茶などは「入れる」だが、抹茶は「たてる」という。普通は「コーヒーを入れる」と使うのが妥当。
〜の最中 「途中」は目的地に向かう途上。ものごとのまだ修了しないうちという意味で、「最中」は動作、状態が現在進行していることという意味。
死中に活を得て 絶望的な状況の中で、なんとか切り抜けるための方法を捜し求めることを「死中に活を求める」というふうにいう。
薄皮をはぐように 正しくは「薄紙をはぐように」。病気が日に日によくなっている様子を表す。
成功裏(り)のうちに 「裏」は訓で「うら」と読むが、「うち」と読む場合もある。「成功裏」と使うなら、ただ「成功裏に」、「うち」を使うなら「成功のうちに」と使う。
素人はだし 専門家でもないのに、専門家が顔負けすほどの腕前を持っていることを「玄人はだし」という。「素人はだし」では、誉めたことにならない。
垣間みせる 「垣間みる」は「垣の間からみる」という文字どおりの意味が基本で、「物陰からこっそりのぞく」「ちらっとみる」に発展していった。
先鞭を打つ 人より先に物事に手をつけることを「先鞭をつける」という。中国の『晋書』に記された「常に祖生の吾よりも先に鞭を著けることを恐る」という故事からきている。好敵手が自分よりも先に馬に鞭を打って、高名をあげはせぬかと気づかったということで、「人より先に目的地につく、装備をつける」という意味の慣用句になった。
寝首を切られる 正しくは「寝首を掻く」。眠っている人を襲って首を切る、ということから、卑劣な手段で人を陥れるという意味でも使われる。
嬌声をあげる 女性がなまめかしく、艶っぽい声を発したとき、「嬌声をあげる」と使う。つまり女性らしく、男心をくすぐるような声のことを「嬌声」という。
一敗地にまみれる 「一敗地」とは、「再び立ち上がれないほど負ける」という意味。「史記」に由来する。
こけら落とし 工事の最後に屋根などの削り屑を払い落としたことから使われだした言葉で、元来は、劇場が新築、改築したときにはじめて行う興行に用いられる言葉。最近では、ホテルや美術館、プールなどが新しく完成したときにも、「こけら落とし」といって、盛大なセレモニーが催される。
不測の事態に備える 「不測」とは何が起こるかまったく予測できないこと。非常時の食料を用意するのも、生命保険に入るのも、地震が起きたり、交通事故や病気で入院したりするかもしれない、という何らかの出来事を予測、予想してのものであるから、「不測の事態に備える」という表現はおかしい。
〜化する 「化」や「的」を接尾語に使うことによって腕曲になり、核心をぼかすことができる。簡潔にいうよりも難しく聞こえるという効果もある。
的を得る 核心をついているとき、「的を射る」という表現を使う。「的を得た」のでは、重要なポイントについたのではなく、自分のものにしたことになる。
折り紙付きの 絶対に間違いないと保証できること、それを証明する鑑定書のこと。原則として、いいことを表すために使う。
圧倒的な負け 「圧倒的」とは、比べものにならないほど、相手より優勢であるという意味が含まれる。その優勢な力に負かされるという受け身はあっても、言葉どおりに受け取れば、比べものにならないほど優勢な負けということになってしまう。
筆がたつ 文章がうまいこと。字がうまいことではない。また、同じような勘違いに「代書」がある。代書は字を清書してもらうだけでなく、文章を書いてもらうという意味もある。
上前をかすめる 正しくは「上前をはねる」。「上前」は代金、賃金の一部から仲介者が取る手数料のことで、「上前をはねる」は、金品の一部を取り次いだ者が手数料、仲介料としてとる、ピンはねするという意味で使う。
汚名をはらす 正しくは「濡れ衣をはらす」。「不名誉な評判」である「汚名」は、その責任が自分にあると考えられるのに対して、「濡れ衣」は無実の罪、身に覚えのない浮き名のことをいう。「汚名」は、あくまでも「返上する、そそぐ」である。
口火をつける 正しくは「口火を切る」。最初にことを行なう、物事のきっかけをつくるの意味で使う。「口火を切る」という慣用句が生まれた時代は、火打ち石を使って種火を灯すことを「切る」といっていた。
恨み骨髄に達す 非常に強い恨みを抱くことを表わす言葉に「恨み骨髄に徹す」という表現がある。骨の髄までしみ通るほどの深く激しい恨みのこと。
白黒をつける 正しくは「黒白(こくびゃく)をつける」。黒を悪、白を善として「正邪をはっきりさせる」の意味。対となるものを一緒に使うとき、順序は決まっている。黒白も音読みならば「しろくろ(びゃっこく)」とはいわなかった。
小春日和 「小春」とは陰暦の十月の異名で、春のような暖かい日が続くことからその名がついた。この時期の穏やかな気候のことをいう。いまの暦でいえば十一月頃で、俳句では冬の季語になっている。
後手に回る 普通は「ごてに回る」と読んで、相手に先を越されて受け身になることの意味で使う。しかし、「うしろでに回る」と読む場合は、手を背中に回すこと、背後の意味になり、人の背後に回り込むことを指す。
一番ベター 「ベター」という英語は「よりいい、より優れている」と訳される。つまり、最高級の表現である「一番」と比較級の「ベター」がつなげれられている。
縁は奇なもの 男女の仲は常識でははかれないほど不思議なもので、それだけでおもしろいという心情を「縁は異なもの味なもの」との言い回しで、古くから表現してきた。

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