3月19日(金) 「卒業式・・別れ」

今日、朝から興奮していた。今日は日本に帰れる。JAPANだ。

体調は良いと思っていた。と言うか良かった。だからみんなにも笑顔を見せれた。

AACEオフィスの横にスーツケースを置きに行った時、リョウコさんが居た。リョウコさんが「お早う」って言った後、「大丈夫?具合悪い時は言いなよ〜。」と言ってくれた。大丈夫そうだったから、笑顔で「大丈夫っすよ。気合です、気合。」と答えた。

ロンダの授業も最後だし、楽しく受けようと思った。でも、徐々に具合が悪くなってきた・・。その時は、ロンダにポストカードを書いて送る授業で、せっかく2週間有り難うと言って渡そうと思ったし、自分が嫌になったし、何でこんな時に・・と思ってしまった。残念だったとしか言いようがない位後悔した。

AACEオフィスに行って、「体調が思わしくないというか、吐きそう」と伝えた。そしたら、すぐに保健室に・・って話になったけど、動いただけでかなり具合悪くなると伝えた。

そしたら、リヨさんから電話があったみたい。で、「大丈夫?今、リヨから電話があって代わってって言ってるけど、話せる?」とリョウコさんに言われた。だから、「大丈夫です」と答えて、リヨさんと話した。

リヨさんが「どーした?やっぱりダメだった?」「ミツエ、不安なままで帰る?リョウコに病院連れて行くよう言うから、連れてってもらおうか。」と言った。自分の中でも、不安なまま、何よりも原因が分からないまま帰るのが一番不安だったから、病院に連れてってもらう事にした。

病院に行く事になり、クラスに荷物を取りに行った。

クラスに向かう時、最後の最後に迷惑を掛けてしまったと思ったから、Bビルディングの廊下を歩いてる時にリョウコさんに「すみません・・・」と言った。そしたらリョウコさんは「何で〜?全然いいよぉ。何もなければいいね」と言ってくれた。歩幅も合わせてくれていて、有り難く思った。

クラスに行くと、みんな泣いていた。ロンダが、慣れない日本語手紙を書いて、みんなに渡したらしい。でも、自分はそれどころじゃなかった。“病院”の単語が出てこなくて、一人で「病院。病院」と何回も言った。

それから、リョウコさんの運転で、近くの病院に向かった。車内でも、リョウコさんは物凄く気遣ってくれていた。だから、多少気持ちが和らいだ。

病院で話している時に、お腹が減ってるだけだったりして言う話をした。その瞬間は何も考えなかったけど、一時して恥ずかしくなってきて、「それやったらみんなに会えません!」と言った。でも、リョウコさんは冷静に、少し笑いながら「それの方がいいよぉ〜」って言っていた。

車の中で、しつこい位「帰れるかな〜」と連発していたからか、「帰れるかどうかも聞くから!」と言ってくれた。

卒業式にどうしても出たくて訴え続けた。「出れますよね?間に合いますよね?」と、永遠にリョウコさんに言い続けた。そしたら、「間に合うとは思うけど、無理したらダメよ」って言われた。

待ち時間が物凄く長く感じた。実際は30分位だったと思うけど、1時間も2時間も待ってる感じがした。待ってる間、不安だった。みんなと帰れるのかな?大した病気ではないよね?・・そんな不安が頭を過ぎった時、とてつもなく大きな不安が襲ってきた。

リョウコさんがそれに気付いてくれたのか、肩に手を回して「大丈夫。大丈夫だよ。」と言ってくれた。それが何回かあった。

ドクターに呼ばれた。リョウコさんと一緒に入った。ドクターは早口で何を言っているのか、聞き取れなかった。だから、ずっとリョウコさんの方を向いていた。

リョウコさんが日本語で質問してきて、それを日本語で答えて、それをまたリョウコさんが英語でドクターに伝えてくれた。

診察が終わった後、一旦待合室に行った。を出すと言っていたから、薬を待っているものと思っていた。リョウコさんがFULLについてのパンフレットを見つけたから、二人で読んだ。“頭が痛くなったり、喉が乾燥したり、胃が痛くなったりする”んだって。ウイルス性の病気らしい。まさに自分の症状だった。

一時して、別室に呼ばれた。看護婦さんが二人いて、奥にいたちょっと怖そうな看護婦さんに、強引に手を引っ張られた。そして、もちろん英語で「今から注射するから!」とデカイ声で言われた。リョウコさんも居て恥ずかしかったから、日本語で一生懸命「ちょい待って!」と何回も言った。そしたらリョウコさんが外に出て行った。

言ってる意味が分からずに、「リョウコさ〜ん」と叫んだら、「大丈夫!良くなる為の注射だから」と笑って言っていた。注射は本当に痛かった。ずーっと騒いでいたからか、その部屋にいた人全員が、笑っていた。強引に手を引いて注射してきた看護婦が「注射で騒ぐなんてまだまだね」みたいに言って、一番笑っていた。

で、病院を出る時にリョウコさんから「そんなに痛かった?注射大ききかったたんだ?」と言われた。本当に恥ずかしかった。

帰り、車に戻る時、歩くペースが速くなっていたらしく、「だいぶ楽になった?歩くペース早くなったね」と言われた。病気のこともわかって安心できたからか、車の中では笑い話をして盛り上がった。本当に楽しくて仕方がなかった。リョウコさんの話は本当に面白かった。

「無事に帰れるといいね」とか、「卒業式の時に辛かったら座ること」「軽食の時にきつかったらオフィスに来てもいいこと」も言ってくれた。だから、「遠慮せず何回も行きます」と返した。そしたら、「遠慮せず何回も来て」と合わせるように言ってくれた。

最後の最後で、リョウコさんにお世話になってしまった。でも、リョウコさんは「何かあったらって今日帰ってしまうけど、甘えていいよ」と言ってくれた。そして、「みんなにも甘えてみていいと思う」とも言ってくれた。

軽食の時、ちょくちょくAACEオフィスに行った。リョウコさんに卒業証書見せに行ったら、「大丈夫そうね」と言ってた。二回目に行った時は、写真撮った。その時に、「飛べそう?」って聞かれて「多分」と答えたら、「無理なら無理って言わんねよ〜」って言われた。

三回目に行った時は出発直前で、もうリョウコさんに会えないと思ったから、「色々有り難うございました」と言いに行った。

空港では、RIYOさんが待っていた。リヨさんは心配してくれて、頭を撫でながら、横に居てくれた。そして、ゲートに入る前に「ミツエの体調が良くないけど、みんなで盛り上げて、元気に帰らせてやってね」と言ってくれた。

AACEとリョウコさんの手紙を預けたら、「書いてくれたの?有り難うね。無事に帰ってね」と言ってくれた。

飛行機に乗る前に、辛くてAACEオフィスにかけた。ソフィアさんと話をした。ソフィアさんも心配してくれていて、「大丈夫だからね」と言ってくれた。