第20回九州マイクロウェーブ・ミーティング報告

マイクロウェーブ・ナガサキ
JA6DM 於保 武志

 第20回九州マイクロウェーブ・ミーティングが4月19日(土),20日(日)の2日間,長崎県川棚町で開催され,1エリア・3エリア・4エリアからの参加も含め,62名の参加者がありました。
 マキ電機,セブロン電子,ミリコム,JF1VAS成澤OM,GIP ANT等のマイクロ関連部品の展示即売や5.7GHz ANTの実演,各局の力作無線機の展示等で賑わいました。 前夜祭の懇親会では,各地区の活動状況報告も行われました。
 来年の第21回九州マイクロウェーブ・ミーティングは,大分で開催して頂くことになりました。

記念撮影 (193KB)

‥‥‥2日目の講演及び研究発表の内容は次の様な内容でした‥‥‥
  • JH1UGF 槇岡OM
    ◎マイクロウェーブの第1回製作講習会は大阪でやり,第2回が長崎だった・・・。
    JH1UGF 第1回全国一斉マイクロ波バンド大移動運用会を,昨年9月に実施した。 発想は単純で,いつも移動運用していると,ある日全国一斉に同じ時間に電波を出してみたらとの簡単なものだった。 やるなら,全国の皆さんの同意を得てやろうということになり,声を掛けたら賛同を得たので,JARLにもお願いしJARL公認となった。 昨年は天気が悪かったが,今年は5月31日・6月1日と10月の始めにやろうと思っているので,今年もぜひ皆さんの参加よろしくお願いします。
    ◎お金をかけないで双方向性の5.7GHzと10GHzのQRPトランスバータをとの発想で実験をしていて,これには,トランジスタをダイオード代わりに使用している。 ダイオードはとびやすく500mW〜1Wを間違って入れると一発でとんでしまうが,トランジスタのドレインに電圧をかけずに使用。 ゲート・ドレインかゲート・ソースかのダイオードが2つ有る。 これは,MGF1302だが,リレーが要らないので安上がりで,10GHzで1mW出る。
    ◎K1JTさんが開発したWSJTソフトは,EMEでノイズレベルから−20dB下がった信号でもデコードしてしまうすばらしいもので,JH1OQW高橋さんが資料を翻訳してくれた。 パソコンの中のDSPフイルターを使用したもので,お互いの時間のずれを1秒以内とし周波数を100Hz以内に合わせる必要がある。
  • JG1QGF 種村OM
    JG1QGF ◎電波法に規定されている電波とは300GHzまでで,アマチュア無線に日本で許可される最高周波数は250GHzである。 その一番高い周波数250GHzの免許が,昨年暮れに下り,すでに2月に通信実験が行われ50m位の距離で成功した。
    ◎世界的にはノイズレベル以下の信号での通信も行われるようになってきました。
    ◎現在JARLがデジタル通信で,マイクロのレピータとレピータをリンクして,離れた所と通信する方式が今年中にでき上がるのではないか。 実行計画を立てて,今年の秋には実現させたいということで進んでいる。
    ◎昨年の九州マイクロでJA6BI田縁先生から宿題を出されていた,「マイクロウェーブ局名録配布はJARL会員に限定すべきだ」とのことだったので,JARLの関係者と話をしたが,JARLは公益法人・社団法人日本アマチュア無線連盟なので,会員だけに還元するものではなく,日本国内の誰にでも利益は還元しなければならないとのこと。 日本のアマチュア無線の発展を目的としているので,JARL会員を育成する組織ではなく,日本のアマチュア無線のためにあるのだとのご理解を頂きたい。
  • JA6BI 田縁OM
    JA6BI ◎3/13の情報誌に掲載の電波開放宣言の記事では,2.4GHzは10mWだけでなく免許がいる300mWもある。 経済的なトラブルが発生し裁判となった場合は,JARLの顧問弁護士は我々を弁護してくれるのか? 免許を持っていないと我々は危ない。 今日参加された約60局について頼んで調べさせてもらったが,中に免許が切れた方が何人かおられるようだ。 免許状況は,75GHz 2局,47GHz 10局,24GHz 29局,10GHz 40局,5GHz 38局,2GHz 43局,1GHz 55局だった。 記事の5GHzを見ると,悔しいことにアマチュア局なんて書いてない。 アメリカでは,5,725MHzまでいろんなことに使おうと話が決まっているようである。 日本もアメリカの後を追従するので5,725MHzまでは取り上げられる可能性が出てくる。 私は,10GHzまでしかやらないので,10GHzまでしか免許はないが,皆さんも免許を取ってマイクロを運用してもらいたい。
  • JF1VAS 成澤OM
    ◎パソコンの画像を使っての話で・・・金子さんの47GHzトランスバータでドレーク・コンバータの局発を切り取って使用し,JA8CMY方式(逓倍方式)で1SS105 10本の内3本がOKで出力15mWが出た。
    ◎JA6LXR長屋さんの希望で作ったBSコンバータ利用の24GHz・47GHz用パワー計兼用でATVのモニタにも,また周波数目盛りを付ければ周波数計にもと,1石3鳥になる測定器もどき試験機である。
    ◎パラボラは歪があるので,47GHzや75GHzのような高い周波数になるとパラボラの焦点に輻射器をセットするのが難しくなる。 そこで輻射器の取り付け位置を上下左右に調整して焦点に合わせるこの様な装置を作った・・・等。
  • JA6GIP 中条OM
    JA6GIP ◎今は,ハム用ANTよりも業務用ANTを作っている。 400MHz帯で45MH幅の帯域を持つANTを北日本放送よりの注文で作った。
    ◎JA6BDさんの5.7GHzレピータ用に作った今度のANTは,仰角・左右調整でき,ここから一つ山の向こうにある5.7GHzレピータJP6YDAをアクセスできた。 ANT製作時に10本作り,内1本がうまくいかなかったので,送信SWの上にニッパを置き,送信状態にして調整をしていたら,3〜4秒で目がやられて真っ赤になり,腫れ上がって病院に通った。 皆さんもANT調整のときは注意してもらいたい。
  • JL6VKB 木部OM
    ◎今日は,マイクロとは少し違うが,最近話題になっているアマチュア無線用総合ソフトMixWの概要について話したい。 MixWは殆どのモードに対応し,価格は50ドルで,RTTYでもカナ漢字ででき,このソフトだけですべてのことができる。 CWで通信できない状態でも,文字化け無しで通信可能で,MFSKの250Hz幅で通信できる方式である。
  • JA6LXR 長屋OM
    JA6LXR ◎LAN機器利用のマイクロウェーブのデジタル化実験について
    安いLAN機器を使って,車の中身は解らないけど運転はできるといった方式で話をしたい。 九州はマイクロウェーブと言えばほとんどがTVで,F3とか音声は本当に少数で肩身の狭い思いをしている。 ところが残念なことにテレビもデジタル化で年内に放送が始まる。 九州は随分遅れるが,ごく近い将来,現在我々がやっているTVは古典モードになってしまう。 そこで,TVについて3年位前より耳を広げてあちこち探していたら,JA1の方に大分出身の素晴らしいエンジニアがおられた。 YAMA会のメンバーですが,総務省から頼まれて情報画像伝送の装置を開発している方です。 その方に助言をもらって研究していたが,どうしても費用の点であきらめていました。 そのうち,同じくYAMA会で市販の安い無線LAN機器のハム転用を熱心にやっておられる7L1RLL若鳥さんの指導で,私も家内も10GHzのOFDMをTSS経由ではなく直接電監に出して免許をもらった。 5GHzのLANを使い,マキさんに作ってもらったLOとMIXして10.1GHzを作っている。 皆さんも,2,000円とか3,000円とか,安いLAN機器を買ってきてやってみませんか?
  • JA6BLS 滝本OM
    JA6BLS ◎パラボラで北九州と佐賀グループで47GHzの実験を3年位やっているが,その中で非常に良い結果が出た輻射器があったので,その作り方と考え方について話してみたい。 専門的な計算とか常識とかにとらわれなく,アマチュアの発想で考えたものなので,質問は受付けないので聞き逃して頂く様にお断りしておく。 文献では,パラボラは前から入ってきた電波は焦点に集まるとしか書いてない。 しかし,私の実験では,TDKの45cm径パラボラでは焦点が1点ではなく1cm位あった。 そこで,パラボラの各点の焦点を測定し,入射角と反射角が同じなので,それを利用して円錐形の反射器を作ったら非常に良い成果がでた。 皆さんのパラボラも,焦点を測定してみられたらどうでしょうか?
    ◎このパラボラの焦点ズレはTDKが独特のDISH反射面を作り上げたのか・・・もしそうだとすれば,その理由は独特のヘリカル一次放射器の放射パターンに基づく結果なのか?という疑問が持たれる。 独特ヘリカルFEEDはTDKの他の製品でも,同じものを使用しているので,ひょっとして,これらのDISHはみな焦点ズレに設計してあるのかも興味ある。
  • JA6GBR 栗田OM
    JA6GBR ◎SHB(スーパー・ハイ・バンド)MLを昨年立ち上げた。 そのきっかけは,昨年の全国マイクロ大移動で,これを利用すれば九州の皆さんの移動状況がわかる。 現在,28名加入されている。 ◎北九州の移動運用では,1人で移動したら映らないといったジンクスがあるので,必ず2・3人連れ立って移動することにしている。 私のパラボラは50cm径だが,先ほどの滝本さんの方式でやっており,うまくいっている。
  • JA6DM 於保
    JA6DM ◎カシミール3Dについて
    マイクロの見通し等を確認する大変便利な地図ソフト,カシミール3Dが昨年の4月に発表になり,多くの方が使用されている。 地図の方位と磁石の示す方位は場所により異なり,九州はその誤差は6度位。また,昨年より緯度と経度の表示方法が,今までの日本測地系から世界測地系に変わった。 その違いは南東に450m位ずれているが,どちらの測地系にも対応している。 昨年発売された「カシミール3D入門」には,日本全国の標高データと国内の20万分の一地図および関東から名古屋までの5万分の1地図が入っている。 国土地理院の5万分の1地図は,大体各県1枚のCD-ROMに入っており7,500円する。 しかし,昨年11月に「カシミールGPS応用編」が2,300円で発売され,それには名古屋から沖縄迄の5万分の1地図がCD-ROM 2枚(国土地理院のCD-ROM 21枚分)で入っており,大変安上がりである。
    このソフトは国内専用だが,韓国とのスケジュール等では,韓国側から日本側を見て前方に障害物が無ければ,東経・北緯・標高を教えてもらい,2地点のデータを入れることにより,見通しの断面図が表示できる。
    このソフトは,いろいろな多くの機能を持っているので,皆さん利用してみて下さい。