JA6DM 於保 武志
第19回九州マイクロウェーブ・ミーティングが3月2日(土),3日(日)の2日間,福岡県直方市の「直方いこいの村」で開催されました。
関東・関西・中国方面からの参加も含め総勢65名の参加者があり,マイクロ関連部品の展示即売,各地区活動状況発表,各局力作無線機の展示等が催されました。
以下,2日目の発表の要約です。
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実行委員長 JA6LT 深草OM
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※ 講演 JG1QGF 種村OM
マイクロウェーブ局名録を5.6GHz以上でQRV出来る方を対象に,JARLが毎年出しているが,今回も皆さんに調査表を書いてもらいたい。
昨年と変化ない方は,コールサインと氏名だけで変化なしとの記入でかまいません。
- 昨年は,11月に全国マイクロウェーブ合同ミーティングが開催されましたが,そのときの論文集には,日本で初めての光の領域であるTHzの製作記事も載っています。
ミーティング前日の11月16日には,75GHzで富士山中腹と筑波山の151kmでQSOができ,世界記録との報告があった。
相手の方向を正確に定めるためにライフルスコープを利用したとのこと。
この世界記録はイギリスのRSGBのHPにも掲載されている。
JARLの記録は,JARLニュースに掲載されてから2ヶ月以内にクレームがなければ認められるので未だ記録として書かれていない。
今まで全国マイクロ合同ミーティングは11月に開催されてきたが,今年は例年より1ヶ月早い10月6日(日曜)に昨年の芝弥生会館で開催予定である。
- 総務省のホームページに2.4GHzの高度化(2.4GHz無線LANおよびビル間通信で10dBゲインのANT使用等について)に関する公聴会を開催するので意見のある方はとのことで,アマチュア無線関係より5人出席し意見を述べてきました。
私も意見を述べましたが,しかし,残念ながら今年の1月より10dBゲインのANT使用が認められてしまいました。
LANの妨害により2.4GHzが使いづらくなった。
特に,SSBでは壊滅的である。
- 75GHzは平成18年末までの使用で,75GHzとは別に77GHz帯が許可される様になった。
申請は地方通信局ではNGで,本省決済のため理由書が必要。JA1BWD宮崎OMに免許が下りたので,参考に書類のコピーを持ってきている。
143GHz帯の使用は昨年末迄で,現在は135GHzとなっている。
※ 各地の活動報告及び研究発表
大阪 JA3BMH:あまり活動していない。
今年の目標として,富士山と那智間340kmのQSOを計画している。
山口 JA4DZ:JARL山口県支部では,今までマキ電機を招いて製作会をやってきたが,今年は山口を中心としたマイクロウェーブ研究グループ主催で製作会を計画したいと思っている。
鹿児島 JA6TY:マイクロの人数が少ない。
春には5.7GHz,10GHzのATVに出られるようにしたいと思っている。
宮崎 JA6BQU:宮崎もマイクロは少ない。
最初は1.2GHzからでしたが,皆さんの技術が進み過ぎているので,このミーティングでは底辺を広くしてもらうように原点にかえって,高い方だけでなく1.2GHzも含めてやってもらいたい。
大分 JA6LXR:昨年は,製作はあまりなく移動運用が主であった。
JA1AKA荒川さんが来られ両子山と九重山からのに相手をした。7月には松山のYLグループが移動されたので,大分とATVでQSO。
11月には山口県華山移動の北九州グループと24GHz ATVでQSO。
最近は,10GHzや24GHzは150km〜200km位はQSO可能となった。
47GHzは現在4局で,もうすぐ何局かできる。
先日,初めて47GHzの移動運用で15kmですが豊後水道をはさんでJA5GYUとQSOができた。
AO-40は多くのマイクロ中継器を搭載しているので面白い。
10GHzと5.7GHzはNGとなったが24GHzは生きている。
移動しなくて家にいてマイクロが楽しめる。
衛星を捕捉するには位置測定と仰角合わせの技術が要求される。
今年の目標は,47GHzで北九州グループを抜くこととマイクロでの日本記録を2つか3つと思っている。
長崎 JA6DM:今回デモに持参した5.7GHzリピーターJP6YDAは昨年春からヒートランやっていたが,今年の春にはJA6BDさんの川棚町弘法岳(380m)に上げたいと思っている。
5.7GHzリピーターはシフト幅が40MHzなのでIC-910の受信幅をJA6LXRさんより改造資料をもらって広げた。
マイクロウェーブ・ナガサキ JA6RMG:JA1AKA荒川さんの九重山移動時は,長崎グループとのATVでのQSOができなかったが,8月に長崎まで来られたので,幾つかのバンドでATV QSOをした。
12月のハムフェアーでは24GHz ATVデモをした。
間もなく川棚に5.7GHzリピーターが上がるが,リピーター用にフライパンを2つ合わせたオール・ディレクション・ゲイン・ビームアンテナを佐世保のJA6FIV久家さんが作られたので,どんな結果が出るか楽しみにしています。(デモに展示)
熊本 JA6BI:熊本からは今回は1人なのでよくわかりませんが,熊本には4つ位グループが有るようです。
私は,昨年暮れに交通事故にあい鎖骨を骨折した。
私は,貧乏で輸入品等買えないので,手元のガラクタをかき集めてはコツコツとできるだけ素材からやるといった方針でやっています。
もっぱら局発に執心しており,いかに局発をきれいにするかとPLLでやればC/N比が奇麗なものができるので,携帯電話の35MHz XTALを使用したが特性が悪く,また周波数を下げて17.6MHz位にした。
先ほど宮崎の方のお話でも,マイクロは裾野が狭いのではないかとの話がありましたが,マイクロは周波数の階段を上がることと,飛距離をのばすことの2つがどうも皆さんの目的のようでございます。
周波数の階段を上りますとね,結構なことですが自分でハシゴをはずされた方がいるんですね。
下へ下りて来ないんです。これが問題です。自分でハシゴをはずさずに下へ下りて来てもらいたい。
ずっと見ていますと,1.2GHz後2.4GHzと5.7GHzを飛び越して10GHzへ行った傾向が強いようです。
下りて来てもらえないと後の人がついて行けないのでマイクロはつぶれますよ。
佐賀 JA6BLS:47GHzでは45kmまでやっている。FM-TV RXのアナログ周波数表示をデジタル表示に変えるものを作ってみた。
チューナーはシャープ製専用ですが,線を5本接続するだけですぐ使用できる。
ATV用で1MHzステップ可変です。(価格は10kで希望者へお分けするそうです)
マイクロウェーブ筑後 JA6AWI:24GHzで佐賀グループとQSO。
47GHzに挑戦中。
今年の西日本ハムフェアー(瀬高町)では,1.2GHz, 10GHz, 47GHzのATVデモをした。
福岡 JL6VKB:デジタル音声について。
デジタルはノーQRMです。現在,HFで使用できるコーデックは完成しているが,MODEMは残念ながら未だ完成していない。
もうすぐできると思う。
電波法ではアマチュアの通信には暗語を使用してはならないと有るが,コーデック使用で通信をやるにはそのへんの問題も・・・。
デジタルで1.2GHzの5Wで月面反射もできている。
唐津 JA6DML:北九州グループの対馬とのスケジュール時に10GHzと24GHzでQSOにトライしたがTXがトラブりNGでした。
JA1AKA荒川さんの九重山移動では天山より1.2GHz ATVでQSOをした。
福岡 JJ4BKK/6:1.2GHz,2.4GHz,5.7GHz,10GHzでFM,SSBを主に運用している。
1.2GHz以上のFMやSSBでCQを出しても相手してもらえないが,ここに集まられたこれだけの皆さんがおられるので,お相手よろしくお願い致します。
自分で何かを作るということが不得手で,もしよろしければ製作講習会などがある場合はお知らせ頂ければ,時間の許す限り参加したいと思います。
北九州 JA6DME:47GHz受信コンバーター製作についての説明。
47GHz簡易SGの製作についての説明。秋月のカラーバージェネレータにコールサインを入れるROM開発のPR。
北九州 JA6JNR:九州マイクロウェーブ連絡網開設についての提案があり,皆さんが賛成しました。
今後の九州マイクロミーティングについて
来年の20回目は長崎とまでは決まっていましたが,各地区の今までの担当回数を検討し,21回大分,22回佐賀,23回鹿児島,24回福岡,そして最初にもどり,熊本・北九州・長崎・大分・佐賀・鹿児島・福岡の順で開催し,宮崎が可能になれば途中に入ってもらうことになりました。
1日目夜の懇親会で,昨年11月の全国マイクロ合同ミーティング時の論文集「マイクロウェーブ・チャレンジ2001」にJA1DGF米野OMが発表されたLNBの局発のDROを改造した10GHz FM-TV TXの記事を,米野OMの了解を得て皆さんへ配り,説明をしました。
この記事を参考にすれば,10GHz FM-TV TXが小型に作れます。
JA6DM 於保 武志
九州マイクロミーティングでLNBのDROを希望者の方へお分けしましたが,外観は同じでも2種類がありました。
一つは5V動作用で発振周波数が10GHz〜10.3GHzのものです。
もう一つは9V動作用で周波数が10.68GHz位のものです。
ケースを切断して内部を見れば,9V用は電圧供給ピンと回路との間にパラのチップ抵抗が挿入されているので,この抵抗をショートすれば5Vで動作します。
10.68GHzのもにジャンクDROの誘電体を取り出して乗せれば10GHz以下(9GHz台)まで発振周波数を下げることができます。動作テストをする時は,必ずケースをかぶせて行って下さい。
ケース無しでは発振しないのでご注意ください。
以上,参考までお知らせします。
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